アダプテーションガーデンへの想い

かつての子供たちが当たり前のように遊びの中で獲得していった体の使い方や、遊びの中で培っていった工夫、想像力、経験など、今では、外で遊びまわる子供たちの姿は少なく、子どもが集まる公園ですら、遊具も危険だからと遠ざけられ、日常の中から、遊びを経験することが難しい世の中になってしまいました。
かろうじて、私の小さかった頃は、明るい間は外に出て遊ぶことが日課でした。今では危ないという理由でさせて貰えないような事も沢山経験してきました。
山に行って竹を切り、竹トンボや、竹馬を作ったり。缶ぽっくり。川で遊ぶ、崖を登る、段畑を飛んで降りる、梯子で屋根に上る、高い木に登る。山の斜面を滑り降りる。海辺で遊ぶ。
一日中遊ぶことが当たり前で、その瞬間,瞬間、思い付いたことをワクワクしながら行動して、体験して、遊びの中から学ぶことを繰り返していた気がします。

ちょっと高い段差が道に有れば登ってみる、陰踏みしながら目的地まで行く。石けりしながらとか
何でも遊びに変化していました。
ただ歩いて目的地に行くだけでも、子供たちは、こんなワクワクする事を見付け、遊びに没頭出来ます。
今の私を形成しているのも、この積み重ねだと感じています。

沢山たくさん経験したことが有るからこそ、楽しい事の中にも、こうしたら危ない、痛い、怖い、面白いけど危険、これ以上は止めよう。などの学びがあります。

今の子供たちは、圧倒的に経験が足りていない。
その思いから、「足りない環境、足りない経験を補える場所」を作りたいと思い、このアダプテーションガーデンを作りました。

これも、数年前に私が見て衝撃を受けた「錦が丘保育園」の存在があります。
園庭には自然がいっぱい、そこで遊ぶ子供たちの姿と、先生方の関わり方。
そこに関わられている中鶴真人先生の教えとアドバイスをいただき、今回、完成の運びとなりました。
全ては補えないけれど、少しでも関われる子供たちの未来の可能性を広げたいと思っています。

アダプテーションガーデンのススメ

私はアダプテーショントレーニングの発案者であり、鹿児島を拠点に子どもや専門家への教育指導やコンサルティングを実施している作業療法士です。アダプテーションという言葉は多くの皆様が聞きなれない言葉だと思います。アダプテーションとは「適応」を意味します。私たち人に限らず全ての生きとし生けるものは、環境や置かれた状況に対して「適応」=「合わせて自分の身体や運動を変化させていくこと」を行っています。

ところが、ここ数十年で世の中のバリアフリー化が進み、段差やデコボコが減ったことで、人が姿勢や運動を環境に合わせる機会が減っています。結果としてこどもの体力低下は目に見えて明らかであり、昔では考えられないようなシュチュエーションで大けがをするこどもの報告を耳にすることがあります。私が提唱しているアダプテーショントレーニングでは「くぐる」「わたる」「ぶらさがる」「のぼる」の4つの動作を促す環境を用意します。こどもはこの環境下で夢中になって遊ぶことがトレーニングになり発達を促します。

このアダプテーションの考え方を基本コンセプトとして設計されたのがアダプテーションガーデンです。代表の川口みどりさんは、お子さんの指導について深く学ばれておりとても信頼のできる指導者です。思いを形にする行動力と根拠に基づいた指導を実践できる指導者はとても貴重で、アダプテーションガーデンを通じて出会うお子さんや保護者の皆さんにとってとても頼りになる方です。

発達を積極的に促すアダプテーションガーデンの遊具には当然危険が伴います。大人の目が離せません。しかし、大人が目を離せないため、たくさん手を貸さないといけなくなります。このような労力を大人が払うことでこどもとの信頼関係を強固にしていきます。

アダプテーションガーデンは、お子さんにとっては発達遊びの場、大人にとってはコミュニケーションの場として活用されるととても良いと思います。危ないからさせないのではなく、危ないから気を付けられるように経験し遊ばせていくイメージです。このような遊びを小さなころから経験できたお子さんは、身体能力だけでなく、注意力や思慮深さも身につけることができます。

今、擦り傷から血を流して泣いた経験が、未来の致命的な大怪我を避ける経験となる。そんな場として安全管理を徹底して、ご活用していただければと思います。より良い発達を促すバリアアリな遊び場「アダプテーションガーデン」をお楽しみください。

作業療法士・療育アドバイザー 中鶴 真人

アダプテーションガーデン監修
中鶴真人(なかつる まこと)先生プロフィール

☆Jcca認定マスタートレーナー(A級講師)
☆作業療法士
☆療育アドバイザー

鹿児島生まれ、鹿児島育ち
超急性期から超慢性期の主に脳血管障害患者のリハビリテーションに約10年作業療法士として従事。その後精神科のリハビリテーションに約6年携わる。病院勤務時代にStretchpoleと出会い日本コアコンディショニング協会の理念に共感。以来コアコンディショニングマスタートレーナーとして全国での講演やコンテンツ提供などコアコン普及に尽力している。脳生理学に基づいてあらゆる分野を紐解き、常識や定説に捉われないそのセミナーは様々な領域で反響が大きい。平成27年度より、末期がん患者の治療とターミナルケアで知られる堂園メディカルハウス系列の株式会社THEM(ゼム)にて保育園や幼稚園の他、様々な法人の児童発達支援事業所にて職員指導を展開。発達障害の子どもの行動変容を約束する子供指導エキスパートセミナー開催など多岐に渡っている。
受講者層は主婦から保育士、運動指導員だけでなく教師、柔道整復師やセラピスト、栄養士や歯科衛生士、医師など様々な背景の受講生に対応したセミナーを開催している。

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